2024年12月3日(火)記者発表会を東京ミッドタウン日比谷BASEQで開催し同時にオンラインでも配信を行った。

開会にあたって

当日は株式会社ぐるなび 取締役会長・創業者 「今年の一皿」実行委員会委員長 滝久雄より主催社代表挨拶、 農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部長 小林大樹氏より来賓の挨拶があった。

農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部長 小林大樹氏 ご挨拶

農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部長 小林大樹氏 ご挨拶

今年は、7月に1カ月あたりの訪日外国人客数が300万人を超え、過去最高を記録しました。外国人観光客の約8割は、滞在中に『日本食を食べること』への期待を持っており、また、来年4月には関西大阪万博も開催し、人の動きがさらに活発になることが期待されております。 今年の一皿は世相を表す取り組みであり、日本食への関心が高く、流行に敏感な外国人観光客にとっても興味深い情報であり、今年の一皿を通して日本食文化のさらなる世界的普及が図られることを期待しております。

選定の流れに関する説明

株式会社ぐるなび 事務局 三橋茉季による選定の流れに関する説明

株式会社ぐるなび 事務局 三橋茉季による選定の流れに関する説明

「今年の一皿」は飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」にアクセスしたユーザーの検索・行動履歴などぐるなびのビッグデータから抽出したワードをもとに、ぐるなび会員を対象としたユーザーアンケート、メディア関係者の審査を経て、次の条件が満たされていることを確認した上で、「今年の一皿」実行委員会が承認、決定します。条件とは①その年に流行または話題となったこと②その年の社会の動きと関係が深く、世相を反映していること③食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があること。以上3つとなります。 では、2024年はどのような年だったのでしょうか。 ・円安、エネルギー高騰など経済状況の変化や、記録的猛暑・自然災害の発生を背景に原価割合が増加し、飲食店の利益に影響をもたらした ・深刻化する人手不足に対し飲食業界も合致した新しい働き方やDX・AI等の新技術の導入が進んだ ・訪日外客数が過去最高人数を記録し、旅行消費額のうち飲食費が全体の30%を占め、コロナ禍前と同水準まで回復した2023年より1.63倍と大幅に増加した

登壇者コメント

2024年「今年の一皿」に選ばれた「うなぎ」を代表して、うなぎ愛好家・うなぎ大好きドットコム代表 高城 久氏が登壇

2024年「今年の一皿」に選ばれた「うなぎ」を代表して、うなぎ愛好家・うなぎ大好きドットコム代表 高城 久氏が登壇
全国のうなぎに携わるみなさん、うなぎを愛するみなさんを代表して受け取らさせていただきました。誠にありがとうございます。

トークセッション

トークセッションには3名が登壇し、それぞれの観点からうなぎに関するエピソード、知見や思いを披露した。

うなぎの食文化の未来

うなぎの食文化の未来
うなぎ愛好家・うなぎ大好きドットコム代表 高城 久氏(以下、高城氏)は「今年の一皿」にうなぎが選ばれたことについて感想を尋ねられ、うなぎは縄文時代から3,500年以上食べられており、日本人にとって馴染み深い伝統的な食べ物である。そんなうなぎが「今年の一皿」に選ばれたことは、うなぎの食文化の継承について考える良い年になったと思うと語った。 さらに、海外からの人気の高まりや後継者の育成など、うなぎの長い歴史の中で新たなフェーズに入ってきていると述べた。

持続可能なうなぎの消費に向けて

持続可能なうなぎの消費に向けて
近畿大学 水産研究所 特任教授 田中 秀樹氏(以下、田中氏)はうなぎの完全養殖技術の開発について、うなぎの生態には未知な部分がとても多く、うなぎの養殖技術は非常に難しいと述べた。 長年の研究の末、完全養殖に成功したものの、天然うなぎに比べてコストがかかることなど課題は残っており、まだ研究途上にあるため、さらに効率よく完全養殖を進めるための研究を進めていきたいと語った。

伝統の継承と人材育成

伝統の継承と人材育成
株式会社うなぎ家 代表取締役社長 松井 智子氏(以下、松井氏)はうなぎの後継者育成について、うなぎ業界は深刻な人材不足に陥っており、一人の職人を育て上げるのに多くの時間がかかると言われている。令和の新しい働き方に合うように、主婦層をターゲットとした短期の職人育成プログラムをスタートしていると話した。 家事で調理の基本が出来ている主婦層は、マルチタスクをこなしていく優秀な人材であり、育成期間を短縮することができていると話した。

3名にはセッションの締めくくりとして、今後のうなぎについての展望や意気込みを語っていただいた。

3名にはセッションの締めくくりとして、今後のうなぎについての展望や意気込みを語っていただいた。
高城氏: うなぎは長い歴史の中で、河川環境の変化や資源減少など、幾度となく、ピンチをチャンスに変えて乗り越えてきた。資源が減少する中、研究者の方、養殖業者の方、そしてうなぎを愛する人々の力で、完全養殖の商業化という未来の扉を開いていただきたい。
田中氏: 完全養殖により絶滅をさせない技術はできたが、完全養殖のうなぎが市場に出回るまではまだまだ時間が必要。みなさんにはこれからも貴重な食資源としてうなぎを美味しく召し上がっていただきたい。
松井氏: 加工技術の進化などでうなぎの調理方法も多様化しているが、古くから伝わる技術や文化を守っていくことも私たち飲食店の役割であり、この食文化を絶やさないように継承していきたい。

「今年の一皿®」を食べよう!

今年の一皿を食べられるお店をご紹介

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