『ぐるなびラーメン』リニューアル記念 論文 受賞作品発表

主催:株式会社ぐるなび総研

株式会社ぐるなび総研
『ぐるなびラーメン』リニューアル記念 論文 受賞作品発表

株式会社ぐるなび総研は、株式会社ぐるなびが運営する『ぐるなびラーメン』のリニューアルを記念して「日本の食文化とラーメンの未来」をテーマに懸賞論文募集を行い、2011年7月に開催した審査会において受賞作品を決定しました。
10代から70代まで年齢も職業も様々な方からご応募頂き、その内容もラーメンの発展に関する歴史的考察、今後求められるラーメン像、また具体的なフィールドワークなど、その内容も多岐にわたるものでした。こうした応募作品の中から、厳正な審査を経て「優秀賞」1編、「佳作」3編、「入選」5編を選定いたしました。なお今回は、「最優秀賞」の該当作品はなし、と決定致しました。受賞作品、受賞者の詳細、および審査員からの講評は下記をご参照ください。

優秀賞 作品概要

■論文タイトル

ラーメンがつなぐ地域の絆と未来 -「みんなの酒田ラーメン考え隊」の活動成果から考える-

■執筆者

  • 本間 裕二氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 修士課程)
  • 中山 大護氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 修士課程)
  • 今村 晴彦氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 研究員)

※所属等は応募当時のものです

■論文要旨

日本の食は今、「ご当地」がブームだ。「B-1グランプリ」に代表される各地の「B級グルメ」はその典型だが、ラーメンにおいても、「ご当地ラーメン」が今や百花繚乱の様相を呈している。こうした動きは「地域ブランドの確立」1)あるいは「文化」2)といった様々な文脈での研究対象となってきた。今やラーメンは地域の食文化ならず、地域ブランドや観光までをも支える重要な資源の一つとなったと言っても過言ではない。
「ご当地ラーメン」が「ご当地ラーメン」たる所以は、無論、その地域ならではの味や特徴にあることは言うまでもない。しかし、それが地域の資源として認知され、発信されるようになった過程は様々である。マスメディアがブームの牽引役となったブランドもあるが、いずれにせよ、多くの場合、「ご当地ラーメン」がそのブランドを確立していく過程では、「地域」の存在が不可欠であろう。しかしながら、地域で支え、発展させていくべきラーメンは、それが生活のなかの日常になってしまっているが故に、当事者である地域の人々に認識すらされないことが多いのではないか。まだまだこうした地域の資源が認知すらされていない地域も多いのではないか。そうした、地域に眠っている“宝”に、いかに当事者が気付き、新たな価値づけを行い、そして受け継いでいくか。日本のラーメン、そして食文化の未来を考えるとき、最も大切な点はここにあると私たちは考えるのである。
そうした問題意識を持ちながら、私たちはこれまで、山形県酒田市において、地域のラーメンを地域で考え、全国に発信していく『みんなの酒田ラーメン考え隊』という実践活動を展開してきた。本論文では、私たちのこれまでの実践のなかで、見て、聞いて、感じたこと、そしてその成果と知見から、上記の問題意識に対する私たちなりの考えを述べていきたい。

『ぐるなびラーメン』リニューアル記念論文

受賞作品一覧(計9編)

最優秀賞
(副賞50万円)

該当作品なし

優秀賞
(副賞30万円)

ラーメンがつなぐ地域の絆と未来
-「みんなの酒田ラーメン考え隊」の活動成果から考える-

本間 裕二氏/中山 大護氏/今村 晴彦氏

論文を読む(PDF:562KB)

▼活動の様子を見る

活動HPや活動報告書

佳作
(副賞10万円)

グローバル―ナショナル―ローカルを越境するラーメン文化
~国民食化の時代を踏まえて~

柏木 恭典氏

佳作
(副賞10万円)

携帯電話から紐解くラーメンの「進化論」

河本 智浩氏

佳作
(副賞10万円)

「ラーメン」と「メディア」の関係性について

小手川 真寛氏

入選
(副賞5万円)

日本の食文化とラーメンの未来

岡部 達美氏

入選
(副賞5万円)

ラーメンの未来のために、小麦粉ができること

工藤 靖之氏

入選
(副賞5万円)

「文明」と「文化」

小林 進氏

入選
(副賞5万円)

一杯のラーメン?

福崎 祐氏

入選
(副賞5万円)

未来に向けてのラーメン展望―若者へのラーメン意識調査を踏まえて―

頼富 雅博氏

優秀賞に対する審査員コメント

審査委員長 岸 朝子(食生活ジャーナリスト)

地域の活性化というのは地域の人が何かしなければならないというのが私の持論ですが、 この論文はそれを実践している点を評価しました。
日本各地のご当地ラーメンが世界にも広がると嬉しいですね。

審査委員 小山 薫堂(放送作家・脚本家)

具体的にフィールドワークが行われ、持論を展開されていた。ラーメンをコミュニティメディア的に捉えているところがあり、これを読んだ他の地域の方がすごく勉強になると思う。今後、もっともっと面白い展開へ発展されることを期待しています。

審査委員 古川 一郎(一橋大学大学院教授)

マーケティング3.0とは社会的課題についてビジネスを通して解決するという点で従来のマーケティング論を一歩前進させたといえるが、本論文では、まさに地域活性化という社会的課題に地域資源であるラーメンをテコに、若い人が自ら動いて、地域の方と実際に販売に至るまで頑張っている点に共感した。

審査委員 石山 勇人(ラーメン研究家)

私も大学時代にラーメン研究の公認サークルをつくってこの世界に入ったこともあり、若い方のこうした活動は応援したいし、こういう人と一緒にやっていきたいと思う作品でした。

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